カウントダウンタイマー

トイレの小窓を開けると隣家の和室が正面に見える。

夏場はたいてい網戸だけになり、中で扇風機が首を振りながら回っている。

その家のご主人の実母の部屋と勝手に思っている。

私より10歳ほど上のご主人の実母だから、既に90代と察している。

ここに越して来て10年以上経つが、1度も見掛けたことが無いのは、当時から寝たきり状態だったからだろうと、これまた勝手に察している。

時折り介護サービスのミニバンが停まっていて、ああまだ・・・と縁起でもないことを思ったりする。

 

台風の影響だろう、朝から重苦しい空。

程なくして雨。

こちらの体調も芳しくなく、朝食後暫しぼんやりした後、2階に戻って横たわった。

 

夕方起床。

雨音が聴こえない。

カーテンを開けると、薄っすらと陽射しも見える。

お昼ごはんを食べていないが、脂太りした体には、3日や4日ぐらい何も食べずとも生き延びることが出来そうなほどの蓄えが皮下にも内臓にも付着している。

 

着替えて歩いた。

 

雨粒が瑞々しく煌く葦の葉。

 

車椅子の老人の首が、へし折られたように鋭角に曲がり落ちている。

病院に停まったタクシーの後席から、スローモーションのようにヨロヨロと降りる老婆がいる。

自分の足で歩けるうちは歩こうと思いながら歩く。

 

いつもの川の水嵩が増しているのは、満潮と雨が重なったせいだろう。

 

伸びた稲の向こうに青空。

 

田圃の中から不意にわっと飛び立つシラサギの群れ。

 

青々と伸びる稲の横に、裏返しにされ命を絶たれた余りものの苗。

育つ方が幸せか、秋まで続く忍耐の日々を知らずに消えた幼い命が幸せか。

 

最後の1個になった桃の実を収穫した。

 

佐藤洋二郎の『極楽家族』を読みながら。

 

 

溜まりに溜まった疲れとストレスを引き摺りながら自転車で帰るアスファルトが熱い。

脚は漕ぎ出してすぐから鉛のように重く硬く、背中や首筋は汗だく。

一刻も早く着替えたいが、真っ直ぐ帰宅する気分ではなく、家を通り過ぎた先の本屋へ。

熱気に炙られた体に冷房の風が心地良い。

新刊書のコーナーをブラブラ。

程なくして襲って来た便意を何とか圧し殺しながら桐野夏生の新刊文庫を手に取り、パラパラとページを捲る。

59歳の男が主人公。

私と近い年齢の男が、妻や愛人や妹との関係に擦り切れていく物語らしい。

このまま読み進めればそれなりに愉しめそうだ。

買っておいて損はあるまい。

あう。

一瞬便意が強まる。

腹の中の便がグリグリと肛門をこじ開けようとする。

懸命に堪える。

額に脂汗が滲み出す。

一つの大きな波が去ったところで気付く。

手に持っていた文庫本が見当たらない。

無意識のうちに平積みの上に戻したのだろうか。

3冊か4冊ほど積んであったように思うが、何冊と数えたわけでは無い。

そんなぼんやりした記憶しか無いから、戻したのか戻していないのか段々はっきりしなくなる。

手に持っていないということは戻した証拠だと理性では分かっているが、一方で、いや、もしかしたら便意を抑え込むことに全神経を奪われ、平常心を見失い、右肩に掛けたショルダーバッグの背面ポケットに慌てて入れてしまったかも知れないとの不安に陥る自分がいる。

バッグのポケットを確かめれば済む話だが、怪しい動きをすればすぐ背後のレジカウンターに居る店員に見咎められ、あらぬ疑いを掛けられるのではないかとの緊張感が走り、それで余計に焦ってしまう。

いやもしかすると桐野夏生は既に私のバッグの中に在り、店員が声を掛けるタイミングを計っているようにも思えてきて、そうなるともうこちらは身動き出来ない。

そこで不意に視界が歪み、何度か瞬きをする。

私はいつもの川べりで煙草を吹かしている。

 

 

具体的に書き連ねる気力は無い。

今はタイトルのままの気分。

 

手遅れになる前に、完全崩壊する前に。

 

 

仕事で北海道網走に3日間滞在した。

 

記念の第一歩は女満別空港。

 

 

印象に残ったのは、ひまわり、農場、岬、草原、青空。

 

 

 

 

 

積乱雲を眼下に見ながら。

 

 

  • 2019.07.20 Saturday

先日購入したエドウィンのクロップドパンツの穿き心地がいい。

色違いが2つあった。

残っているなら買っておこう。

そう思って早起きした。

 

雨が降っている。

 

そこまでだった。

朝食後、再び横たわった。

 

夕方。

補正に失敗したスラックスを紳士服店に持ち込み、事情説明と再補正依頼。

こちらのミス。

費用請求を覚悟していたが「ま、大丈夫でしょう」と店長さん。

ありがたい。

 

帰宅後、明日からの網走出張の準備。

初めての北海道がいきなり網走。

暑さ寒さの感覚がまったくわからない。

気象予報では最低気温が17℃と言っていたから、こちらより10℃も低い。

長袖シャツの上に薄手の羽織物でと思っていたが、30℃の暑さに馴染んでしまった体には足りない気がする。

片付けた秋冬物のジャンパーを箪笥から引っ張り出してきたりと、衣類の選定で軽い混乱。

台風や雨の動きも気になるなあ。

飛行機、飛ぶのだろうか。

 

不意に思い立ち、傘をさしながら桃の収穫。

袋の上からでも薄っすらと桃色が透けて見えたから。

 

開けて見ると。

 

小ぶりなものを1つだけ残し、5個収穫。

 

産毛が美しい。

 

お腹の具合は相変わらず今一つだが、胃はそれほど辛くない。

北海道出張を無事にこなさなければ・・・。

 

 

長靴を履こうとしたら片方が水浸しだった。

新調したスラックスを穿いたら細過ぎてどうにもならなかった。

飲み会の締めの挨拶を頼まれたが、いざ喋ろうとしたら呂律が回らなくなりボロボロだった。

左胸の痛みがぶり返し、昨夜は体をある特定の姿勢に保たなければ横たわっていられなかった。

自転車を停めたら、前かごに収めたバッグの重みでハンドルがグラリと揺れ、バランスが崩れて倒れた。

風呂から上がろうとしたら誰かが訪ねて来た気配があり、いつもより20分も長く浴室から出られなかった。


韓国より露中の動向の方が重要だろう。

雨が止まない。


1つ1つは大したことじゃないのかも知れない。

けれども、こうやって立て続けに起きると、「ついてないなぁ」では済まないほど気分が沈む。

たまらず安定剤を口に放り込むほどに。

 

 

先日買ったスーツが仕上がってきた。

が・・・。

スラックスの裾幅補正で大失敗。

19センチはOKとして「全体のシルエットが崩れないように出来るだけ上の方から絞ってください」と頼んだのが裏目に出た。

穿いてみて唖然。

わたり幅からふくらはぎ回りまで細くなり過ぎてパッツンパッツン。

膝が曲げられない!

汗かいてもいないのに脚全体が動かせない!

試しに1、2度屈伸しただけで膝が抜けてしまった。

大失敗!

車の買い替えを検討中だが、なかなか決め切れない。

値段が高いということが一番の理由だが、もう1つ、ジープへの断ちがたい想いがあるからだ。

経済性や利便性から言ってコンパクトカーを選ぶのが最良なのは分かっているし、そもそも運転するのはほとんど妻だから、妻の希望を優先すれば答えは自ずと出る。

だが一方で、「あのとき思い切ってジープ買えば良かった」と10年後の自分が後悔している様子が浮かんでは消え浮かんでは消えするのだ。

 

67歳の私が、縁側で日向ぼっこをしながらぼんやり庭木を眺めている。

「ジープに乗って海や山に出掛けてみたかったなぁ。あと10歳若かったらなぁ」

 

そんなことを思いながら、久坂部羊の新書を買った。

『人間の死に方』。

帯文が素晴らしい。

 

700万円のジープは簡単には買えないが、842円の新書は迷わず買える。

 

多忙と体調不良(胃痛、腹痛、歯痛等)のため、暫く心療内科に行けずにいた。

常用している安定剤と睡眠導入剤の手持ち在庫がかなり減ってしまい、そのことが不安やストレスにもなっていた。

今日、半年ぶりに受診した。

 

診察時間は15分程度。

この6ヶ月間の出来事をかいつまんで報告した。

特に胃腸の不具合。

先生はいつもと変わらぬ笑顔で相槌を打ちながら私の愚痴に耳を傾け、時折質問された。

「○○さんとお話しするとき、いつも言葉が綺麗だなと思っていました」と不意に先生。

現役引退後にやりたいことの1つとして小説を書きたいという話を私がし、どんな作家がお好きですかと問われ、三浦哲郎さんのような美しい日本語で私小説が書きたいと答え、それに対する先生のコメントである。

嬉しかった。

 

診察室を出た時、胃腸の痛みが軽くなっていることに気付いた。

 

処方箋を持って薬局に行くと、顔馴染みの薬剤師さんが、

「あ、○○さん、お久しぶりです」

お酒は飲まないが、何やら行きつけの飲み屋にでも入ったような気持ちになった。

 

それはそうと久しぶりのFUKUOKA TENJIN。

弥生と初めて待ち合わせた地下街の片隅。

あれから35年。

 

ブラブラ歩いていたらまたぞろ胃やお腹が痛くなり、早々に帰宅。

 

疲れてはいたが、着替えて歩いた。

健康診断の結果が出てコレステロールの値が悪かったため、脂質や糖分を控えようと思い、水を持って歩いた。

急には良くならないけれど。

 

相変わらずシンドイ日々。

 

 

お腹の具合が悪く、朝からビオフェルミン。

腰をくの字に折り曲げ、お腹をさすりながら、トイレとか洗面所とかキッチンとか冷蔵庫とか、最低限の用事で家の中をヨロヨロ歩く。

ボディーブローを喰らったへっぽこボクサーがゴングに救われてコーナーに戻るようだな、と思う。

 

午後から妻とカーディーラー訪問。

消費税増税前に買い替えようと考えているのだが、オプションという名の必要装備を加えたら車両本体価格+100万!

何しろお腹を庇いながらだから、展示車両のチェックにも見積書の説明にも集中出来ない。

体調が悪くないときにしっかり検討しなければ。

 

夕方。

青空に誘われ、自転車散歩。

 

初めはいつものように歩こうと思ったが、腹痛が気になり自転車で出掛けた。

けれども、それが逆に良くなかった。

サドルから伝わる衝撃がきつく、腹部全体が捩れるように痛くなってしまった。

途中からは押して歩いた。

息も絶え絶えとはこういう有り様を言うのだな。

 

あぁ、お腹痛いよぅ・・・

会社行きたくないよぅ・・・

 


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