カウントダウンタイマー

雨と湿気で気分も体調も優れず。

どうにか出社したものの、着いた途端、一刻も早く会社から逃げたい思いに駆られる。

 

午前10時。

限界。

皆さんに宣言。

「体調が悪いので午後から帰ります」

 

お昼のチャイムと同時に退社。

 

午後0時半、帰宅。

着替えてぼんやり。

何か胃に入れなきゃ。

カビが生えないように冷蔵庫に保管されていた賞味期限切れのパンを1個齧る。

自室に戻り、椅子に坐って文庫本を開くと、お約束のように襲って来る睡魔。

 

2階の布団に横たわる。

午後4時半、強い尿意で覚醒。

手摺を掴み、ヨロヨロと階段を降りてトイレへ。

おしっこ、相変わらずチョロチョロとしか出ない。

 

蒸し暑さがきつく、寝室に戻る気力が削がれる。

目を転ずればカーテンの隙間から薄っすらと陽射し。

もう1度寝るか、それとも歩くか。

スマホの天気アプリを開く。

明日も雨らしい。

歩こう。

今日のうちに歩いておこう。

重ダルい体をどうにか奮い立たせて出発。

 

雨粒が宿る葦の葉をじっと眺める。

きらきら光る雨粒の1つ1つが無限の宇宙。

どれか1粒でいい、私が安穏に暮らせる世界があるのなら、身ごとすっぽり入り込んでしまいたい。

 

梅雨の晴れ間の農道を、ゆっくりと、ひたすらゆっくりと歩く。

この時期の田圃が1年で最も美しい。

 

 

ある男のことを思い浮かべる。

41歳。

半年ほど前に離婚。

2人いる子どもの親権は元妻へ。

 

10年間育ててきた我が子の寝顔を見詰めながら、男はある晩ふと思った。

『ぜんぜんオレに似ていない』

DNA鑑定の結果は、「親子関係無し」。

2人目だけならまだしも、2人とも、とは。

元妻は、男と結婚する前から付き合っていた別の男の子どもを2人も産み、10年もの間男を騙し続けた。

托卵。

「考えてみると、タイミング的にも、子どもが生まれるはず無かったんですよね」と苦笑した男。

 

この体調不良の原因は、梅雨や睡眠不足のせいだけではない。

そんな話を聞かされたからだ。

結婚して3年経っても子どもを授からず、思い切って専門医を受診、乏精子症と診断された日の自分の後ろ姿を見た気がしたからだ。

 

鳥に襲われ、落下した桃の実。

あんなに青かったのに、ナメクジに食われ、泥に塗れながらも、懸命に色付き始めている。

 

生きている間は死んではいけない。

生きている間は生き続けるほか無いのだ。

 

 

いつもの書店の駐車場で一服しながら、遠くの街で暮らす娘にLINE。

『口内炎はその後大丈夫か?』

 

 

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