カウントダウンタイマー

息子と2人で過ごす2日目。

 

朝食はおひやご飯とインスタント味噌汁。

バタバタと朝のルーティーンを済ませ、私は会社へ、息子は初めての予備校へ。

 

仕事を早めに切り上げて帰宅すると、電気も点けずダイニングで独りどよ〜んとした息子。

なんかイヤな予感。

自室でスーツから私服に着替えていると、ゆらゆらとこちらまで近寄って来て、俯いたまま力無い声でボソボソと初予備校体験を語り始めた。

そら、来たぞ。

じっと耳を澄ますと、先日受けた予備校の特待生試験がクラス編成試験も兼ねていて、自分が望むクラスに入れなかったとのこと。

他にも「後期合格したならそこに行けばいいのに」と、全落ちの同級生から嫌味を言われた、とか。

いきなり躓いている。

こういうとき「いちいち気にするな」といったありきたりの叱咤激励や同調は息子には効果がない。

「お父さんも、予備校時代、最初のクラスは上から2番目か3番目だった」とだけ応えた。

言葉で繕うより、今は気分を換えることを優先すべきと判断し、夕飯を食べに、車で10分ほどのところにある定食屋さんまで連れ出した。

人間、腹が減っているとロクなことを考えない生き物だから。

 

お店のテーブルにつき、それぞれに好みで選んだおかずと中盛ごはんを食べていたら、少しずつ息子の表情が和らいできた。

頑なだった気分が徐々に解れたのだろう。

 

帰りの車の中で、語調を変えて息子を諭した。

「おまえに2つだけ言っておく。

1つは勉強部屋で寝落ちしないこと。あれは絶対によくない。風邪もひきやすくなるし、いつも頭がボーっとして勉強に集中出来ない。それを改めきれなかったら現役時代と何も変わらない。7時間は睡眠をとれ。

あと1つは背筋を真っ直ぐ伸ばすこと。浪人生は犯罪者じゃない。胸を張って堂々としていろ」

 

 

帰宅後、明日の朝食のためにご飯だけは炊くことにした。

学生時代と塾の先生時代に多少の自炊経験はあるが、30年ほど前に実家に戻って以降はまったくやっていないし、お米と水の配分や炊飯器の使い方がさっぱり分からない。

キッチンで手を拱いていると、息子が「オレのほうがマシじゃね」と言って、さっさとお米を研ぎ始めた。

水の量や炊飯器の使い方は、ググったりLINEで妻に問い合わせたりして対処してくれた。

几帳面と言うかマメと言うか、とにかく息子はそういう性分なのである。

 

先に風呂を済ませ、息子に入るように声を掛けながらダイニングテーブルを見遣ると、急須と私の湯呑が、所定の場所に置いてあった。

私が風呂に入っているあいだに息子がしてくれたこと。

 

私の息子は、そういう息子なのだ。

 

 

22:30追記

キッチンカウンターの上に、妻の湯呑と娘のガラスコップが伏せて置かれていた。

これが息子。

 

 

 

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  • 21:34
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Comment
もし独身だったらどんなに楽かなと
時々思います。
雨が降れば子供の為に傘になり
子供がお腹を空いたら自分は我慢
して食べ物を差し出す。
それは親の宿命だと思います。

息子さんは優しい性格のお子さんですね。きっと轍さんに似たんじゃないで
は?私の息子ももっと強い気持ちを持って欲しかった

浪人なんて恥じる事はありません。
他人に何を言われても笑い飛ばせば
いいのです。
だってその人の為に生きているんじゃないですから。
大事なのは今日一日を有意義に過ごせばいいのです。






  • 風の森
  • 2019/04/02 12:47
温かいコメント、ありがとうございます。

優しさと強さをバランスよく兼ね備えた人もいますが、私の息子はどうしても弱さのほうに引っ張られてしまいます。
風の森さんの息子さんもそうなのかなぁ、と思いました。
私も、どちらかと言うと弱さに引きずり込まれるタイプです。苦笑

親は、子供が幾つになっても親だということを、我が子と母を見ながら痛感しています。

今日一日を有意義に過ごす。
仰る通りですね。肝に銘じます。
  • 2019/04/02 22:19





   

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